教えることへの不安、意気込みから脱却する

現場の教育担当者の人に話を聞くと、
プリセプターや教育担当の役割を任命された際、
とてもうれしいと感じる看護師はあまり多くないようです。

 

逆に、「看護教員など、人を教育した経験がないから不安」、
「部署全体で関わってくれているとはいっても、
教育担当者としてのプレッシャーがかなり大きい」、
「思ったように進まないジレンマが常にある」などの声を多く耳にします。

 

「教育者中心」で学んできた私たちですから、
教育担当者に任命されたというだけで、
「あれも教えなくてはいけない」、「
「医療事故が起こったら私の責任になるから、
きちんと見ていて、しっかり教えなくては。」と
自分ひとりで重荷を背負ってしまいがちです。

 

教育担当者として、正しい知識を正確に伝えることは大切です。

 

しかし、「教育担当者としてどうあるべきか」ということよりも、
「中途採用看護師は、どのような知識や経験をもっていて、
何を伸ばしてあげればよいのか、
何を支援してあげるともっと成長するのか。」というような
中途採用看護師の希望や望みをアセスメントすることに
力を注いだほうが、教育効果ははるかに高いでしょう。

 

新卒看護師教育で多く用いられるプリセプターシップは、
臨床現場において1対1の関係を基本とし、
看護学生や新卒看護師の近くで経験のある看護師が支援者として、
またロールモデルとして活動するお互いの学び方法と定義することができます。

 

つまり、教育担当者は、
「知識や技術をとにかく教えこむ」のではなく、
この部署に先に就職した「経験のある看護師」として、
中途採用看護師をサポートし、
「支援者として」、あるいは「ロールモデルとして」活動し、
お互いに学びあうことが役割であるということです。

 

ですから、中途採用看護師から質問されたことに対しても、
「知らないことがあったら恥ずかしい」、
「知らないことがあったらどうしよう。」
などと、不安や間違いを恐れる必要はありません。

 

なぜなら、指導の意義は、
知らないことがあったとき、知らないことをどう調べるのか、
失敗や問題が起きたときには、その解決のためにどう対処するのかを、
中途採用看護師に見せることにあるからです。