「看護管理者の行動でスポンサーシップを定着させること。」とは

最近は、「もう少し余裕を持って働きたい。」と考えている看護師が多く、
大学病院などの高機能病院ではなく、
規模の小さな病院を選んで就職する人が多くなっています。

 

ですが、実際には、規模の小さな病院であっても、
とても忙しい現状があり、
「こんなに忙しいとは思わなかった」という状況が起きる中、
中途採用看護師の教育担当になった看護師が、
プレッシャーを感じてしまうということが少なくありません。

 

また、中途採用看護師だけでなく、
中途採用看護師を指導する側の、教育担当になった看護師も、
「今でも精一杯な状態なのに、以上の仕事を押し付けられてしまった、
しかも、中途採用看護師は、経験があるはずなのに
あれもこれもできないことばかりで困る。
私の指導の方法がまちがっているのではないか?
こんなに大変なことを任されるのは嫌だ!」と、
モチベーションが下がってしまうことも多いようです。

 

中途採用看護師の持っている資質や能力を見つけ、
その資質や能力を守り、発揮できるような支援を提供するという
スポンサーシップの考え方を定着させることは、
看護管理者の重要な役割です。

 

ですから、小手先の指導方法を変化させること以上に、
組織に根付いた「指導・育成」に対する組織文化を作り変えていくことが、
中途採用看護師の育成を成功に導くためには重要です。

 

しかし、実際には、中途採用看護師だけでなく、
看護における指導のほとんどが、できていなかったことを指摘し、
気づかせて、それを修正するというマイナスの強化によるものが
圧倒的に多くなっています。

 

このようなマイナスの強化によるものが多くなってしまう背景には、
受け入れる側の看護師たちが「これをやってください。」、
「ここをもっと気をつけるといいですよ。」というように、
指摘やアドバイスを行うことが指導だと
思い込んでいるという面があるからです。

 

中途採用看護師の個性を理解していたとしても、
とにかく改善する点や、どこが不足しているかを探し出し、
それを指摘するということが教育だと思っていて、
それをしなければ、きちんとした指導をしていると
安心できないという思いに陥ってしまうのです。

 

しかし、実践現場での教育は、
多くの多様な学び方があります。

 

教育に関する正しい知識を得ることによって、
ゆがんだ硬直的な教育のイメージを修正することができます。

 

そのために必要なのは、
現場での看護管理者や教育担当者の行動です。

 

看護管理者や教育担当者の行動によって、
実践現場の多くの看護したちが新たな学びをし、
その知識を習得します。

 

学習モデルなどを概念として学習し、
それを覚えただけでは、新たな学び方を推進することはできません。

 

指導する側の欠点や足りない点は、
逆の発想をし、どのような強みとして指導に活かすことができるかと考えます。

 

指導する看護師は、教えられないことに対してのあせりや不安から、
発想を転換して安定した気持ちを得ることができるかもしれませんし、
自分が指導する中途採用看護師や後輩に対しても、
同じように考えてくれることがあるかもしれません。

 

これは価値の枠組みをいったん開放し、
発想を変えるという「リフレーミング」と言う思考法です。

 

この思考法によって、現象に対する感じ方を柔軟にすることができるようになれば、
それによって喚起される行動も柔軟に変化し、
新たな選択肢が生まれていくはずです。

 

「こちらが教えるだけではなく、相手に教えてもらうということも
考えてみたらよいのでは?」、
「誰かに教えるというのは、最も高いレベルの学習なのですよ。」
というような、具体的な行動のアドバイスやヒントが
管理看護者にタイムリーにもらうことができれば、
受け入れ側の看護師が抱くプレッシャーも、もっと軽くなります。

 

現場でより良い看護実践のために、
もっとよくするにはどうすればよいかと知恵を絞り
あゆみよることで、
「教える人」と「教えてもらう人」と言う単純な役割分担から開放されますし、
その開放こそが必要なことです。

 

そして、関わった仕事がしっかりとした成果をあげたとき、
そこに関わった中途採用看護師はたくさんの豊かな学びを受けているでしょう。

 

看護管理者は、このような実践現場でこそ実現することができる
豊かな学びの方法を、
いろいろな場面で受け入れ側の看護師たちに、
ポジティブフィードバックとして投げかけることが必要で、
この「投げかけ」が看護管理者の重要な役割であるといえます。