「中堅看護師の影響力を組織文化作りに活かす。」とは

中堅看護師の影響力を組織文化作りに活かすことは、
とても有効なことだと考えます。

 

看護管理者や教育担当者が
中途採用看護師をサポートする態度をどれだけ示していても、
日勤や夜勤を組む受け入れ側の看護師の不適切な態度によって、
中途採用看護師があっさり離職してしまうということは少なくありません。

 

このような場合、看護管理者や教育担当者は、
中途採用看護師に厳しい対応ばかりするあの人は、
どうして行動を改めてくれないのだろうと残念に思うのと同時に、
望ましい行動をとらない個人を責めてしまいがちです。

 

ですが、個人を責めても何も解決できません。

 

それどころか、対応が厳しいと非難するだけでは、
指摘された看護師に「私の気持ちを理解してくれない」という
不満を抱かせてしまい、
指示の拒否、看護管理者や教育担当者への不信感につながります。

 

では、どうすれば、受け入れ側の看護師全員に
「望ましい態度」を実践させることができるのでしょうか。

 

どのような組織にも、「組織文化」と呼ばれる特徴があります。

 

組織文化とは、組織の方針、目標、ルールや手続きなどについて
共有された知覚だと一般的に定義されています。

 

そして、この組織文化は、
その組織で活動するさまざまな人々に大きな影響を及ぼし、
特に経験年数が浅い人ほど
その部門の組織文化の影響を大きく受けています。

 

つまり、中堅からベテラン層はビジョンに影響を受けにくいのです。

 

その中堅からベテラン層の看護師に、
組織の目指す方向性を十分に理解し、共感してもらって
行動してもらうことができると、
中堅看護師たちはロールも出るとしてとても大きな力を発揮します。

 

実際の現場で、リーダーシップを発揮している
看護師たちの力を借り、
人材育成のビジョンを中途採用看護師への望ましい態度を
具体的行動として示してもらうことによって、
看護師全員に浸透させることが可能になります。

 

看護師管理者や教育担当者が、
望ましい介入方法をいろいろな形で受け入れ側の看護師に説明しても、
上からの押し付けや強制として受け取られてしまうことがあり、
そのようでは不要な反発を招いてしまうことがあります。

 

反発を招いてしまったときは、
なおさら看護管理者や教育担当者が前面に出ず、
役者を交代することが必要です。

 

豊かな臨床経験と、圧倒的な業務遂行能力を持ち、
常に余裕のある中堅看護師は、
部署全体に強い影響力があります。

 

そして、すべての看護師が常に意識するほどの存在感を持っています。

 

中堅看護師は、指導においても、自らが抱え込むのではなく、
現場のコーディネートを円滑に行い、
指導を展開する高い業務遂行能力をすでに身に着けていると思います。

 

また、受け入れ側の看護師の中に、中途採用看護師や、
その指導に対する不満や疑問、否定的な意見を持つ人がいた場合であっても、
共に同じ苦労をしてきている中堅・ベテラン看護師には、
半直な意見を言いやすいということもあります。

 

たとえ、その意見が理不尽であったとしても、
「うんうん、そういうきもちわかるわよ。」と、
高い共感性を持つことができるのは、
共に働いている中堅看護師だからこその能力です。

 

実力のある中堅看護師は、多忙な現場であっても、
看護師の誰もが認めるロールモデルを示す圧倒的な力を持っています。

 

ですから、現場での非公式なリーダーとしての中堅看護師の能力を
しっかり活用することが、部署にこれまでと違った
新しい人材育成の文化を定着させる大きなポイントになるでしょう。