「基本的な信頼関係はすべての指導の基盤となる。」とは

中途採用看護師と部署の教育担当者が初めて顔を合わせるのは、
ほとんどの場合は入職当日です。

 

新年度スタート時期特有の
緊張感に満ちた空気に包まれている4月であれば、
新しい人を迎え入れるという雰囲気があります。

 

しかし、年度途中の中途採用の場合は、
このような4月入職のような雰囲気には恵まれません。

 

それどころか、
「業務が多忙なので、
最低限これだけは覚えてもらわなくては困る」
というオリエンテーションだけを簡単に行い、
その日から患者さんを受け持つという場合も少なくありません。

 

このような状況では、中途採用看護師の早期離職につながる恐れがあります。

 

部署に配属された初日の印象というのはきわめて重要です。

 

しかし、年度途中にあって、
必ずしも受け入れ態勢がベストといえる環境ではないこともあります。

 

ですが、だからこそ、
その部署の看護管理者や教育担当者の態度だけでなく、
中途採用看護師と共に働く受け入れ側の看護師の
一人ひとりの態度が極めて重要です。

 

受け入れ側の看護師一人ひとりの笑顔、
穏やかな声のトーン、中途採用看護師への気遣いに満ちた態度が、
部署の印象を大きく左右し、
中途採用看護師の適応を促進します。

 

どのような病棟や施設においても、
出会いから始まる基本的な信頼関係を
受け入れ側の看護師と中途採用看護師の間に築くことが
入職間もない時期に最も大切です。

 

中途採用看護師が、この施設でどのような仕事をしたいと考えているのか、
今後どのようなキャリアを見通しているのか、
施設側が中途採用看護師のどのような能力に期待しているのかなど、
お互いの考えを共有することが大切です。

 

その方法とは、詳細な個人データの収集や分析ではなく、
「私たちはどのように関われば、あなたの役に立てますか?」
など、中途採用看護師の思いに注目し、
問いかけることから会話を始めることが必要です。

 

そのために、長時間にわたる面接が必要なわけではありません。

 

たとえ、20分程度の時間でも十分ですから、
中途採用看護師のために確保する時間を
短くても確実に取るようにしましょう。

 

受け入れ側から中途採用看護師との接点を作り、
中途採用看護師の思いを聞くことで、
中途採用看護師を尊重することができるでしょう。

 

そして、中途採用看護師が「自分は否定されていない」と、
感じることができると思います。

 

このようにすることで、
その後のさまざまな環境への適応や学習効果を上げることができるはずです。