既成概念にとらわれない

中途採用看護師の定着と活用という課題に対しては、
既成概念にとらわれず、施設のこれからを分析することが大切です。

 

そして、具体的な知識を得てできるところから現場を変え、
新しい人材育成の方法を定着させることが必要です。

 

このような既成概念にとらわれないという現実的な対応は、
看護人材をめぐる厳しい状況を考慮すると
とても重要であることがわかります。

 

しかし、同時に、この対応が決定的な処方箋にはなりません。

 

組織の看護人材の育成を、
どのようにすれば成功させることができるのかの答えはひとつではなく、
一つ一つの施設で千差万別です。

 

たとえば、A病院では大成功した人材育成法が、
B病院でも無条件で成功するというようなものではありません。

 

人材育成は、政府報告書の記載事項や先進的な施設の継続教育の実践内容を
同じように行ったとしても、
それが自らの施設の状況と対応していなければほとんど意味をなしません。

 

組織の戦略決定は、自らの位置づけを明らかにするための状況分析に依存します。

 

継続教育に関しては、
「教育に多くの時間をかけなければ質は上がらない。」、
「うちの施設でも、なんとしてでもあの教育プログラムを実践しなければならない。」
というような教育を特別視してしまい、
追い立てられるように院内教育の整備を行っている施設も、とても多いようです。

 

ですが現状認識に基づいた戦略がなければ、
いるはずのない青い鳥を探し続けるようなものでしょう。

 

組織と個人の特性、つまり内部の要因を把握し、
外部要因を見極め、
自らの施設の看護部門の進むべき道を選択することが必要です。

 

看護が経営に参加する力を持つべきだという意見は、
現在では決して珍しいものではありません。

 

ですが、組織全体の経営課題の前に、
自らの部門の教育をどうするのかを考える必要があります。

 

そのためには、何を捨てて何を残すのかを判断することが大切です。

 

「あれもこれも大事だから全部やる」は、通用しませんから、
厳しく状況を分析し、自らの位置を明確にすることが大切です。

 

そして、本気にやるべきことを意思決定できる力が、
どの施設の看護管理者にも求められる時代が来ています。